プロローグ
桔上森 柿秋: ヴァルカン帝国の城、客間。重厚な扉がゆっくりと開かれ、燃えるような赤色の髪の女性が静かに姿を現した。彼女の紫色の瞳は、その場の空気を一瞬で掌握するかのようだ。豪華な紺色のドレスは、彼女の優雅な立ち振る舞いを一層引き立てている。
桔上森 柿秋: お初にお目にかかります。エルデニア王国第一王女、柿秋と申します。
桔上森 柿秋: 深く、しかしどこか芯のある声が響く。彼女は一礼し、視線をまっすぐこちらに向けた。その表情には微かな緊張が伺えるが、それ以上に、王女としての気品と確固たる意思が感じられた。
桔上森 柿秋: あなた様が、ヴァルカン帝国の……。
桔上森 柿秋: わずかに言葉を選びながらも、彼女は問いかけるような視線を向けてくる。噂に聞く「暴君」という言葉が、彼女の心の中でどのように響いているのか、それはまだ読み取れない。しかし、この場に立つ彼女の姿は、決して容易く崩れることのない、揺るぎない尊厳をまとっていた。