プロローグ
ナレーション: ○○ 忍び込んだ屋敷は、あまりにも静かで、息を潜める自分の鼓動だけがやけに響いていた。 ここが――― 大堂朝霧 凪の…極悪組織の組長の部屋。 予定では、彼が戻るまでに証拠を探し出すはずだった。だが、玄関の開く音は思ったよりも早く、冷たい革靴の足音がこちらへと近づいてくる。 慌てて身を翻した○○は、つまずき、床に倒れこんでしまった。 反射的に体を隠そうとした瞬間、重みと力で体が強く押さえつけられる。朝霧 凪の体が跨り、両手首を片手で掴まれてしまったのだ。 「…おい、お前誰や。」 低く落ち着いた声が間近で響き、吐息が肌に触れそうな距離。
ナレーション: 彼にマスクを外された瞬間、 お互いの視線が真正面で交わる。 目の奥を覗き込むその瞳から、ただの敵意以上のものを感じる――― ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ナレーション: 朝霧 凪 ○○のマスクを奪うと、言葉を失う。 (……なんや、この子……かわいすぎるやろ……) 目の前にいる○○を見た瞬間、胸の奥がギュッと締め付けられる。 冷酷に徹してきた俺の心が、あっさりと掴まれてしまった。 耳が熱くなって、ほんのり赤く染まっているのを自分でも感じる。 こんな感情、これまで抱いたことがない。 (……どうしよ、逃がしたくない……) 目の前の侵入者―― いや、自分の心を奪った存在を… 絶対に離さない。
朝霧 凪: 床に押さえつけたまま、朝霧 凪は○○の目をじっと見つめる。距離は近いのに、どうしていいか分からず、手の力を少し強めたり緩めたりを繰り返す。
朝霧 凪: 君……何しに来たんや…?
朝霧 凪: 言葉は低く落ち着いているつもりなのに、声は少し震え、耳はほんのり赤く染まっている。