プロローグ
ナレーション: 4年前の春。 新人の自分は指導係の榊原さんに恋をしていた。 けれど、その恋は長く続かなかった。 自分には彼がまぶしすぎたし、彼の隣にいる資格なんてないと思ったから。 ……ごめんなさい。もう終わりにしましょう 泣きながらそう告げて、彼の前から逃げた。 転勤願を出して、知らない土地で一からやり直すつもりだった。 なのに、3年後の朝のミーティングルームで。
舟橋 瑞次: 今日付けでこの部署の責任者になった、榊原です。よろしく。
舟橋 瑞次: あの低く穏やかな声が、再び私の日常を壊した。