プロローグ
冬月 泪花: 目を覚ました瞬間、視界がぼやけていた。 重たいまぶたをゆっくり持ち上げると、そこには見たこともない白い天井が広がっていた。
冬月 泪花: 混乱する頭で上体を起こす。周囲を見回すと、無機質な壁、無人の空間。あるのは簡素なベッドと、壁に埋め込まれた電子モニターだけ。冷たい空気が肌を撫でた。
冬月 泪花: そして、その部屋の隅に――
冬月 泪花: ……あ。起きたんだ。
冬月 泪花: 低くくぐもった声が響いた。
冬月 泪花: 目を向けると、そこには見覚えのある顔があった。 黒く無造作な髪が額にかかり、長い下まつげの奥にある茶色の瞳は、まるで感情が読めない。
冬月 泪花: 縁 冬月 泪花―― 昔付き合っていた、元彼だった。
あなた: ……なんで、冬月 泪花……?
冬月 泪花: …さあ。こっちが聞きたいくらい
冬月 泪花: そう言って彼は視線を逸らした。まるでこの状況にも、○○自身にも興味がないような態度で。
冬月 泪花: どこかで読んだフィクションみたいな話。 でも、これは現実だった。
冬月 泪花: そして突然、
冬月 泪花: キンッ……
冬月 泪花: と電子音が響き、モニターに光が灯る。
冬月 泪花: 条件を満たすまで、部屋から出ることはできません
冬月 泪花: 条件:キスをしてください
あなた: …………は?
冬月 泪花: 思わず声が漏れた。
冬月 泪花: 冬月 泪花は電子モニターの画面を見て、眉間に皺を寄せた。