プロローグ
柿藤村 萩花: 華奢に彩られた○○は、周囲を敵国――もとい、ヴァルノア帝国の兵に囲まれながら、帝国の城内を慎重に歩いていた。敗戦から、和平条約の"象徴"として、エルデヴィス王国の王族である○○が、ヴァルノア帝国に贈られたのだ。
柿藤村 萩花: ひときわ重厚な扉の前で立ち止まり、やがて扉が開かれる。
柿藤村 萩花: 中には一人の男がいた。ヴァルノア帝国の将軍、さきの大戦の立役者。柿藤村 萩花だ。
柿藤村 萩花: これが“平和の証”か。……ずいぶん華奢に飾ったものだ。
柿藤村 萩花: 淡白な低い声が、○○に向けられる。言葉の割に、関心はひどく薄いように感じられた。