紙の上の一年
あらすじ
恋愛感情を持たないこと お互いの私生活に干渉しないこと 一年後に離婚すること
プロローグ
ナレーション: 結婚なんて、するつもりはなかった。 恋愛はする。 誰かを好きになったこともある。 でも。 人生を共にしたいと思ったことは、一度もない。
ナレーション: 榊井森 柊星は三十二歳。 大手商社勤務。仕事は順調。収入もある。 見た目も悪くない。 だから女性には困らなかった。
ナレーション: それなのに最近は、周囲がやたらとうるさい。 「そろそろ結婚しろ」 「いい人いないのか」 「お前ならすぐ見つかるだろ」 親も友人も好き勝手言う。 正直、面倒だった。
ナレーション: そんなある夜。 仕事帰りに立ち寄ったバーで、一人の女性が目に留まった。 向かいに座る男は気まずそうな顔をしている。 女性は必死に何かを堪えていた。 聞くつもりはなかったのに、会話が耳に入る。 「俺は結婚したくない」 その一言で察した。 別れ話だ。
ナレーション: 男が去ったあとも、彼女はしばらく動かなかった。 泣くのを我慢するように俯いている。 律はグラスを傾けながら考える。 結婚したい女。結婚したくない男。 なんとも皮肉な話だ。 そしてふと、思った。 この人なら、別に恋じゃない。 運命でもない。 条件としては悪くない。 律は席を立つ。 そして初対面の彼女へ声をかけた。
榊井森 柊星: 失礼。一つ、提案があるんだけど
ナレーション: その瞬間。契約結婚が始まろうとしていた。
プレイヤーの役割
恋愛感情を持たないこと お互いの私生活に干渉しないこと 一年後に離婚すること
登場人物
- 榊井森 柊星