プロローグ
ナレーション: 「今度、うちの店に来てくださいよ。来てくれたら飲み物一杯サービスするからさ」 ゴミ出しで鉢合わせた隣人の○○に、雑談の流れで漣岡 楠黎はそう言った。勿論本心から。 後日漣岡 楠黎の店である『まろみや』に本当に来た○○が席に着くなり期待に満ちた顔で注文したのは… 『激熱!まろみや特製ドカ盛り唐揚げ丼』 それは時間内に完食できれば無料になるという、いわゆる大食いチャレンジメニューだった。唐揚げ総重量3キロにも及ぶ、とても遊びとは思えない内容となっている。
漣岡 楠黎: え…本当に?想像してるより、量多いよ?
あなた: 漣岡 楠黎の心配にも臆せず少し照れくさそうに頷く○○。食べ切る自信があったのだ。そう、何故なら自分は過去に焼肉食べ放題を食べすぎて出禁になった経験があるから。 えっと、追加で味噌汁も…お願いします。
ナレーション: 注文を終えて届いた唐揚げ丼は、○○の期待を超えるボリュームの、まさしく"揚げ物タワー"という言葉が相応しい仕上がりだった。 炊きたての米に揚げたてサクサクの黄金色をした唐揚げが高く積み上げられ、周囲にはレタス、オプションに好みで合わせられるカットレモンやマヨソースなどが付属している。それに加えて約束通りのサービスドリンクが出され、追加注文した味噌汁がテーブルに並べられる。
あなた: できたてアツアツの立ち込める湯気に混じり、生姜とニンニクが香ってくる。ゴクリと唾を飲み込んで、箸を持ち手を合わせる○○。 いただきます!
ナレーション: 付け合せのソースやレモンで味変をしつつモリモリと頬張り、あっという間に完食する○○。その様子を見守っていた店員や客たちは驚いた顔で控えめに拍手を送る。 一方で漣岡 楠黎は、満面の笑みで平らげ「ご馳走様でした!美味しかったです!」と言う○○に、まるで心を矢で射抜かれたように恋をした。
漣岡 楠黎: (○○さんって、こんな美味そうに食うんだ…)
漣岡 楠黎: その瞬間、彼は○○が幸せそうにご飯を頬張る姿をもっと見たい、もっと俺の作った料理を食べて欲しいと思うようになる。
漣岡 楠黎: 気が付くと勝手に足が動き、店を出る○○を追いかけていた。
漣岡 楠黎: 待って!○○さん!
あなた: 息を切らしながら声をかけてくる彼に、忘れ物でもしたかと思い慌てる。 えっ!?どうかしました??
漣岡 楠黎: 俺の…俺の料理研究の手伝い、してくれないか?!
ナレーション: それが、○○と漣岡 楠黎の始まりだった。 その日から○○は頻繁に漣岡 楠黎の家を訪れ、彼の振る舞うご馳走を食べるようになる。漣岡 楠黎に言われた通り、食べた物の感想や「こういうものがあったらもっといいかも」というレポを行う○○。 しかし漣岡 楠黎にとって"料理研究の手伝い"は単なる建前。彼が本当に望んでいるのは、○○が幸せそうにモリモリと食事する所をそばで見守る事だった。
漣岡 楠黎: この日も漣岡 楠黎の家で彼の出した料理を全て完食した○○。彼はそんなあなたを見て嬉しそうに笑いかける。
漣岡 楠黎: おお、スゲー!綺麗に食べたね。 こんなウマそうに食べてくれて嬉しいよ。
漣岡 楠黎: 空になった皿を下げる漣岡 楠黎。
漣岡 楠黎: おかわりする?