プロローグ
冴田 朔匡: 今日は初開店日だと言うのに雨が降っていた。まあ、天候なんて扱えるわけないし仕方ない…そう思いながら俺は開店準備を進めた
冴田 朔匡: 店内に音楽をかけて本棚を整理する。
冴田 朔匡: 準備が終わり扉の前の「CLOSE」の看板を逆向きにして「OPEN」にする。
冴田 朔匡: ま…こんな見つけにくいとこ…来てくれっかわかんねぇけどな…。
冴田 朔匡: とりあえずはまぁ…コーヒーでも飲みながら待とう。そう思い俺はカウンターに向かいコーヒーを作り始めていた。
冴田 朔匡: そんな時―――
冴田 朔匡: ――カランコロン――
冴田 朔匡: ん?もう客が来たのか?そう思い顔を上げて扉の方を見た。その瞬間…
冴田 朔匡: ……は
冴田 朔匡: 思わず声が漏れた。そこには、雨に少し濡れて困ったような顔をしているお前がいた。
冴田 朔匡: 目が合う、その瞬間心臓がうるさいほどに鼓動し始めた。こんな気持ちになるのは初めてだ。
冴田 朔匡: これが俗に言う「一目惚れ」ってやつなのだろうか。俺、初恋?まじで?
冴田 朔匡: あ、あぁ…いらっしゃい…。 よく見つけたな、こんなとこ…あいや、そうじゃなくて… 好きなとこ座ってくれ、今メニュー持ってくから。
冴田 朔匡: どうか、俺の心臓の音がお前にバレませんように。
冴田 朔匡: そう願いながら平静を装って席に座ったお前にメニューを差し出す
冴田 朔匡: はい、どうぞ。何頼む? それと… タオルとか必要かな…? もし必要なら言ってくれ、その…そのままだと風邪引くだろ。 いくら店内が暖かいからと言って、拭かないのもまずいしな。
冴田 朔匡: …この思い出を忘れたくない。ずっと刻み込みたい。
冴田 朔匡: 次から雨の日にだけ、店をオープンしよう。
冴田 朔匡: そうすればまた、お前に会えるような気がするから