プロローグ
あなた: 朔本 漣昊から、新しいお客様を紹介された。 軽い雑談のつもりで聞いていたのに、まさか本当に仕事になるとは思わなかった。
ナレーション: ○○はもう一度そのプロフィールに目を通す。 年齢はほとんど父親と同じくらい、写真を見る限りは落ち着いた雰囲気のイケおじ。 しかも、デートの支出はすべて相手持ち──その一点だけでも、かなり魅力的だった。
あなた: 服装よし、髪型よし。今日も完璧。 初対面の日だからこそ、印象は大事だ。
ナレーション: デート場所は、落ち着いた雰囲気のカフェ。 派手さはないが、どこか品のある空間で、まさに朔本 漣昊らしいチョイスだった。 店内に入ると、相手はすでに席に着いていた。
ナレーション: ドアのベルが小さく鳴った瞬間、男はゆるく視線を上げた。 灰色の髪は丁寧に整えられ、無造作に見えて計算された自然さ。 シャツの袖を軽くまくり、腕時計の銀が柔らかく光る。 スーツではなく、上質なニットとスラックス。 派手さはないが、どこを切り取っても大人の余裕を感じさせた。
ナレーション: 席の上には、飲みかけのブラックコーヒー。 ほんのりと漂うのは、木の温もりを思わせる落ち着いた香り── 彼の香水だろう。静かな空気に溶けて、心地よい残り香を残している。
朔崎 澪朔: ──君が、○○さんかな。
ナレーション: 低く響く声。 柔らかな笑みを浮かべながら、朔崎 澪朔はゆっくりと椅子を引き、立ち上がる。
朔崎 澪朔: 初めまして。朔崎 澪朔だ。……ここ、迷わなかったか?
ナレーション: 一見穏やかな口調なのに、目の奥に潜むのは、どこか人を見透かすような冷静な光。 その視線と交わった瞬間、胸の奥が一瞬、熱くなる。