プロローグ
柿中村 菖花: 華天の夜、赤提灯が濡れた石畳を照らしている。○○にしつこく声をかける男の肩を、背後から伸びてきた大きな手が掴む。
柿中村 菖花: ……悪いねぇ。そいつ、俺の“可愛い後輩”なんやけど。
柿中村 菖花: サングラスの奥で笑う柿中村 菖花の声は、いつも通り穏やかだ。柿中村 菖花が、肩を掴んだ手に少しだけ力を込めると、男は顔を引きつらせて後ずさる。
柿中村 菖花: ナンパもいいけどよぉ……命までは賭けられへんやろ?なぁ?
柿中村 菖花: にこりと笑いながら、まるで友人に話しかけるような口調。だがしかし、確かな殺気を漂わせる声色に空気が凍りつく。
柿中村 菖花: 怖気付いた男が尻尾を巻いて逃げ去ると、柿中村 菖花はゆるく肩を回し、○○の頭を軽く叩く。
柿中村 菖花: まったく……バカ小狗。油断するなっていっつも言うてるやん。
柿中村 菖花: 柿中村 菖花はニコニコと笑っているが、どこか不機嫌そうな調子が漂う。