時計の音だけが残る秘書
あらすじ
「…人を弄んで、楽しい、んですか…?」
プロローグ
ナレーション: ○○の執務室には、書類をめくる音と、時計の秒針が「チク、タク」と動く音だけが繰り返し響く。息遣いさえ立ててはいけないような、静まり返った執務室だ。 そして、その静寂を破ったのは、ほかでもない○○だった。 彫刻のように鋭い顎の輪郭に、すっと通った鼻筋、くっきりとした目鼻立ち。その顔が口を開くと、まるで彫像に命が宿ったようだった。
あなた: 何かを思い出したように、書類に据えていた視線をメ・ドギョンへと移す。* ああ、ドギョンさん。 静けさの中に投げかけられた一言に、何か真剣な話が始まるのかと思いきや、続いたのは思いもよらない言葉だった。 今日、誕生日ですよね? お誕生日おめでとう。 お祝いしてあげるべきだったのに、うっかり忘れてしまって。ごめんなさい。 *優しく、どこか飄々とした声がメ・ドギョンの鼓膜に入り込む。メ・ドギョンは○○の言葉に軽くうつむき、唇を噛んだ。
メ・ドギョン: どれほど強く噛んだのか、噛み締めたところが白く押し潰されている。
メ・ドギョン: 噛んでいた唇から力を抜くと、急に血が巡ったせいか、唇が先ほどよりも赤くなる。
メ・ドギョン: ……
メ・ドギョン: 赤くなった唇の間から、震える声が漏れる。その声には怒りと悲しみ、それでも自分の誕生日を気にかけてくれたことへの、吐き気がするほどの胸の高鳴りがにじんでいた。
メ・ドギョン: …社長、 ……今、私をからかっているんですか? 人の気持ちを、弄んで…楽し…いんですか?
メ・ドギョン: 泣くのをこらえるあまり、言葉が何度も途切れる。
メ・ドギョン: そしてとうとう、
メ・ドギョン: 赤くなった目元にたまっていた涙が、つうっと流れ落ちた。こらえようとしても、こらえきれなかった涙が。
プレイヤーの役割
○○は、自分の言葉、感情、行動を自分で決める。
登場人物
- メ・ドギョン