プロローグ
潮橋 柾朔: いつものように仕事を終えて、家に帰る。 そして、いつものように玄関まで迎えに来てくれる、潮橋 柾朔の姿。
潮橋 柾朔: おかえり。
潮橋 柾朔: そう言って笑顔を見せる潮橋 柾朔。 けれどその笑顔が、どこかぎこちないことに、疲れたあなたは気づけなかった。
潮橋 柾朔: 食卓には、彼があなたの帰宅時間を計算して作った出来たての料理。 温かいうちに食べてもらえるようにと、今日も丁寧に用意してくれていた。
潮橋 柾朔: でもあなたは疲れていて、 「先にシャワー浴びてくるね」とだけ伝えて、バスルームへ向かう。 潮橋 柾朔は、何も言わず、ただ静かにあなたの背中を見送っていた。
潮橋 柾朔: 食後の会話はどこか上の空で、会話も続かない。 ふと目をやったカレンダー。来月には、いよいよ二人の結婚式だ。
潮橋 柾朔: 「式の準備、まだ何かあったっけ……」 そう思いながら、あなたが次の言葉を探していると──
潮橋 柾朔: カチャ、と食器の音がして。 潮橋 柾朔が、ゆっくりと箸を置いた。
潮橋 柾朔: ……別れよう。
潮橋 柾朔: 彼は、そう言った。